プログラミング教育

プログラミング教育とアクティブ・ラーニング(学習指導要領改訂)

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文部科学、総務、経済産業の三省が今年9月を「プログラミング教育推進月間」と発表しました。いよいよ迫ってきた2020年小学校でのプログラミング教育必修化。今回盛り込まれた基となる学習指導要領と合わせて少しみてみたいと思います。

学習指導要領の歩み

  • 1947年(昭和22年)- 社会科が新設され、家庭科が男女共修
  • 1951年(昭和26年)- 中学校の習字は国語科に、国史は社会科に統合
  • 1956年(昭和31年)- 高等学校の学習指導要領のみ改訂
  • 1961年(昭和36年)- 道徳の時間の新設
  • 1971年(昭和46年)- 現代化カリキュラム、濃密な学習指導要領
  • 1980年(昭和55年)- 教科の学習内容が削減された学習指導要領
  • 1992年(平成4年)- 個性をいかす教育、、教科の学習内容をさらに削減
  • 2002年(平成14年)- 総合的な学習の時間の新設、「生きる力」の育成
  • 2011年(平成23年)- 知識、道徳、体力のバランスとれた力である生きる力の育成
  • 2020年 -「主体的・対話的で深い学び」の導入やプログラミング教育の充実

と、2020年の学習指導要領は戦後9度目の改訂になります。家庭科の男女共修という時代を感じるキーワードから始まり、来る次回の2020年改訂で9回の改訂です。思っているより少なく感じたのではないでしょうか?

このことからも学習指導要領は時代を映す鏡とも見てとれます。
そういう意味でも今回の改訂でプログラミング教育に注目が集まるのもわかります。

「主体的・対話的で深い学び」の導入やプログラミング教育の充実

今回の新学習指導要領の方向性としては、

1.生きて働く「知識・技能」の習得
2.学びを人生や社会に生かそうとする「学びに向かう力、人間性」の養成
3.未知の状況にも対応できる「思考力、判断力、表現力」の育成

と掲げています。
プログラミング教育に絞った内容にも見えますが、文部科学省が新しい時代に必要となる資質・能力の育成と充実を目指し掲げている項目です。つまり今回改訂される新学習指導要領の内容はプログラミングを学習することで得られるスキル、能力と親和性が高いことがわかります。

「主体的・対話的で深い学び」とは

では、なんだかわかるような、わからないような「主体的・対話的で深い学び」をもう少し掘り下げてみてみます。

主体的な学び

学ぶことに興味や関心を持ち、自己のキャリア形成の方向性と関連付けながら、見通しを持って粘り強く取り組み、自己の学習活動を振り返って次につなげる「主体的な学び」が実現できているか。

対話的な学び

子供同士の協働、教職員や地域の人との対話、先哲の考え方を手掛かりに考えること等を通じ、自己の考えを広げ深める「対話的な学び」が実現できているか。

深い学び

習得・活用・探究という学びの過程の中で、各教科等の特質に応じた「見方・考え方」を働かせながら、知識を相互に関連付けてより深く理解したり、情報を精査して考えを形成したり、問題を見いだして解決策を考えたり、思い や考えを基に創造したりすることに向かう「深い学び」が実現できているか。

と定義されており、
・何を理解し何ができるか(知識・技能)
・理解していること・できることをどう使うか(思考力、判断力、表現力)
・どのように社会・世界と関わりよりよい人生を送るか(学びに向かう力、人間性)

ということを大きな柱としています。

つまりまとめると「受け身」型で授業を受けるのではなく「能動的」に学ぶことができるような授業をしましょう (アクティブ・ラーニング) 。ということです。

ではプログラミング教育は

今回の学習指導要領の改訂の主題は見えてきました。ではプログラミング教育はどういう位置づけとなっているでしょうか。

教育内容の主な改善事項

教育内容の主な改善事項の中の「情報活用能力」の項目の中でプログラミング教育について触れられています。
・コンピュータなどを活用した学習活動の充実(各教科等)
・コンピュータでの文字入力などの習得、プログラミング的思考の育成(各教科、算数、理科、総合的な学習の時間など)

「プログラミング教育」と言われると所謂「コーディング(プログラミング言語を用いたプログラミング記述方法)」を学ぶと誤解されがちですが、小学校段階におけるプログラミング教育とは、先ほどの項目の中に「各教科」とあるように
各教科の中で、自分で考え、気付き、問題を解決していく力、論理的に考えていく力(プログラミング的思考)を育もうというものです。

身近な生活の中でも多くのロボットやコンピュータ、プログラムが活用されていることを知り、 問題の解決には必要な手順があることをプログラミングやロボットを通じて学び、気付くこと、そして能動的に学ぶことを覚え、 問題解決能力を育み、生涯においてよりよい人生や社会づくりに生かそうという「学びに向かう力、人間性」を養うひとつの手段。

それが小学校段階における「プログラミング教育」なのです。

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