2024 年大学入試に「情報Ⅰ」が新設

2021 年度からは中学校の技術家庭かでプログラミングに関する内容が拡充されます。2022年度には⾼等学校でコンピュータ・プログラミングを含む「情報Ⅰ」が必須となります。

2024 年度には⼤学⼊学共通テスト(⼤学⼊試センター試験に変わる試験)に、国語や数学のような基本的科⽬として「情報Ⅰ」が導⼊される⾒通しです。(「幼稚園、⼩学校、中学校、⾼等学校及び特別⽀援学校の学習指導要領等の改善及び必要な⽅策等について(答申)」中央教育審議会 平成28 年12 ⽉21 ⽇)

⼤学⼊試で試験科⽬となる「情報Ⅰ」は⾼等学校での情報科の学習が対象になります。

現⾏の「社会と情報」及び「情報の科学」の2科⽬からの選択必履修ですが、次期指導要領では「情報Ⅰ」(共通必須科⽬)「情報Ⅱ」(選択科⽬)になります。概要は下記の通りです。

情報Ⅰ

問題の発⾒・解決に向けて、事象を情報とその結び付きの視点から捉え、情報技術を適切かつ効果的に活⽤する⼒を育む科⽬

構成

項 ⽬ 内 容
情報社会の問題解決 中学校までに経験した問題解決の⼿法や情報モラルなどを振り
返り、これを情報社会の問題の発⾒と解決に適⽤して、情報社
会への参画について考える
コミュニケーションと情報デザイン 情報デザインに配慮した的確なコミュニケーションの⼒を育む
コンピュータとプログラミング プログラミングによりコンピュータを活⽤する⼒、事象をモデ
ル化して問題を発⾒したりシミュレーションを通してモデルを
評価したりする⼒を育む
情報通信ネットワークとデータの利⽤ 情報通信ネットワークを⽤いてデータを活⽤する⼒を育む

情報 Ⅱ

「情報 I」において培った基礎の上に、問題の発⾒・解決に向けて、情報システムや多様なデータを適切かつ効果的に活⽤し、あるいは情報コンテンツを創造する⼒を育む科⽬

項 ⽬ 内 容
コミュニケーションと情報コンテンツ 画像や⾳、動画を含む情報コンテンツを⽤いた豊かなコミュニケーションの⼒を育む
情報とデータサイエンス データサイエンスの⼿法を活⽤して情報を精査する⼒を育む
情報システムとプログラミング 情報システムを活⽤するためのプログラミングの⼒を育む
課題研究 情報Ⅰ及び情報Ⅱの(1)〜(4)における学習を総合し深化させ、
問題の発⾒・解決に取り組み、新たな価値を創造する

情報科⽬の改訂概要

改訂案 現 ⾏
科 ⽬ 標準単位数 必修科⽬ 科 ⽬ 標準単位数 必修科⽬
情報 I 2 必須 社会と情報 2 どちらか
情報 II 2 社会と情報 2

現在の⼤学⼊試センター試験は⼤学⼊試改⾰により、2020 年度から⼤学⼊学共通テスト(新センター試験)に替わります。2025 年1 ⽉の新試験から「情報Ⅰ」が導⼊されます。2019年1 ⽉時点で⼩学校1 年⽣以下の⼦どもが対象となります。

「情報Ⅰ」の試験問題などの詳細は未定です。学習塾や予備校は対策講座を設置するかを含め様⼦⾒の状態です。新センター試験にプログラミングが含まれれば、⽣徒の学習内容や受験業界には⼤きな影響を与えることが予⾒できます。

第四次産業⾰命等では解のない問題を解く⼒「考える⼒」が求められます。
1980 年代の知識偏重、詰め込み教育への反省として⽂部科学省(当時の⽂部省)は2002 年の学習指導要領改訂で「⾃ら考える⼒」の育成を宣⾔して「総合的な学習の時間」を創設しました。( いわゆる「ゆとり教育」 )

「ゆとり教育の失敗」から脱ゆとりで学⼒ブームが起こりました。この失敗の原因のひとつは、⼤学⼊試が変わらなかったことにより、⾼校の授業も変わらなかったという意⾒もあります。今回の教育改⾰は⼤学⼊試を変えて⾼校の授業も変えることが狙いと⾔えます。また、その改⾰の効果は⼩中学校にも波及すると⾔われています。

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