各国のプログラミング教育事情

日本では、ようやく2020年からプログラミングが小学校に導入されるようになりました。
この動きは世界に比べてどうなのか?をいろいろ調査してみました。
色々なホームページにいろいろな形で記されていますが、以下は、平成26年度文部科学省委託事業として報告された報告書から簡単に整理してみました。

4年前の調査報告なので若干古いところはありますが、歴史としてのおおよその国の状況はつかめます。
特にコンピュータ教育に関して進んでいない国は、報告書の中からも抽出することはやめました。

出典:諸外国におけるプログラミング教育に関する調査研究

イギリス(2014年9月~)
教科「Computing」の中で、アルゴリズムの理解、プログラムの作成とデバッグ、論理的推論によるプログラムの挙動予測、情報技術の安全な利用法、コンピュータネットワークの理解を行う
授業で専任講師または数学や理科の職員が行う。

エストニア(2012年9月~)
Tiger Leap Foundation によって “ProgeTiiger” というプログラミング教育推進プログラムが開始され、1-12 年生を対象に全ての公立学校でプログラミングの授業を選択できるようにすることが目標とされた。

フィンランド(2016年~)
1-9 年生の算数・数学のカリキュラムの一部として導入。1-2 年生では、遊びを通して他の学習者たちに明確な指示を与える練習をする。3-6 年生では、Scratch などのビジュアルプログラミングを使用する。7-9 年生では、プログラミング言語

イタリア( 2014 年 9 月~)
初等教育(小学校)からコーディングを導入(Programma il Futuro)論理的思考方法を身につけることを目的とし、プロジェクト開始から 3 か月余りで全国の公立小学校の 1 割強にあたる 1,982 の公立校が参加した。

ハンガリー(2003 年~)
ネット検索やペインティングなどの IT 利用授業を小学 1-4 年生において開始し、現在では「Informatika」を 1-12 年生で連続して教えている。1-4 年生では簡単なアルゴリズムを習得し、5-6 年生では簡単なプログラムの実装、検証、7-8 年生ではステップバイステップの計画手順、9 年生以降では改良の原理まで学ぶ。

ポルトガル(2010年~)
「KeyCoNet」に参加し、第二言語として「EduScratch」を開始。「Scratch」を用いた教育現場におけるプログラミング教育として、7-8 年生に導入した。

ロシア(2009年~)
プログラミング関連の授業を 2-11 年生で一貫して教え、必修と定めている。

カナダ
教育省の指導に沿った教育制度を各州が制定していて、オンタリオ州では1-12 年生までの 12 年間を義務教育期間とし、「The Ontario Curriculum」の中で教科「ComputerStudies」を 10-12 年生に教えるよう定めている。

韓国(1970年代~)
初・中学校への導入は 1987 年の「学校コンピュータ教育強化方案」から始まり、でプログラミング教育は2007 年改定の選択科目教育課程から開始。
その後、2010 年代に「コンピュテーショナルシンキング」を導入し、プログラミング教育についても、身の回りの問題を題材として、実社会に役立てられることが意図されるようになった。

インド
中等中央教育委員会は、デリーやいくつかの州の管轄校のカリキュラム、教科書、試験制度を決定する教育機関で、3 年生からプログラミング教育が導入されており、3-5 年生では LOGO、6 年生、7 年生では QBasic、8 年生では Visual Basic 言語、9 年生では C++、Java、10 年生では HTML、XML、11 年生と 12 年生では C++ が指導されている。2013 年 8 月にインド政府直轄の教育技術中央研究所が開発した「ICT」カリキュラムはは 6-12 年生への指導を推奨しており、プログラミング環境を利用したプログラミング開発を指導している。

イスラエル(1970~)
「Computing」カリキュラムを開発し、高等学校でのコンピュータリテラシー教育や BASIC 言語などによるプログラミング教育を開始。その後「Computing」は「Computer Science(CS)」と呼ばれるようになり、教育省は 1991 年から段階的に「アルゴリズム的思考を開発し、アルゴリズムをプログラミングで実装する」という新カリキュラムを高等学校に導入した。

ニュージーランド
2011-2013 年にかけて 11-13 年生を対象に順次「Digital Technologies」教育を開始した。

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