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【2026年版】小学校プログラミング教育の現状と課題|必修化から6年、現場で何が起きているのか

【2026年版】小学校プログラミング教育の現状と課題|必修化から6年、現場で何が起きているのか

「うちの子、学校でプログラミングって、ちゃんと習ってるのかな?」

そうお感じになった保護者の方、きっと少なくないんじゃないでしょうか。2020年に小学校でプログラミング教育が必修化されて、もう6年が経ちました。でも、お子さんの口からプログラミングの話が出てきた記憶がない。授業参観でも見た覚えがない。そんな方がほとんどではないでしょうかね。

ええ、その感覚、私もよく分かります。

先日、私はある教育行政の担当者さんと直接お話をする機会をいただきました。現場の実態を伺って、正直なところ、胸が締め付けられるような気持ちになりました。必修化から6年が経った今も、状況は2020年当時とほとんど変わっていない、という現実を目の当たりにしたんです。

この記事では、その対話から見えてきたこと、そして私自身が長年エンジニア・経営者として感じてきた構造的な問題を、できる限り誠実に、皆さんと一緒に考えていきたいと思っています。決して批判のための記事ではありません。現場の方々は皆さん、本当に誠実でした。問題は、現場の皆さんの努力不足ではなく、仕組みそのものにあるんじゃないかと、私は感じているんです。

必修化から6年、小学校のプログラミング教育、今どうなっているんでしょうね?

2020年、文部科学省は小学校学習指導要領を改訂し、プログラミング教育を必修化しました。その目的は、「プログラミング的思考(論理的に物事を考える力)」を育てることだとされています。

でも、ここで私たちみんなが知っておくべき現実があります。それは、「必修化されたからといって、充実した授業がされているかといえば、そうではない」という点ではないでしょうか。

文部科学省の定義では、プログラミング教育は「既存の各教科の中に組み込む形」で実施されます。つまり、算数や理科の授業の一部としてプログラミング的思考を取り入れる、という位置づけなんですね。独立した教科ではないのです。

この設計が、現場に大きな歪みをもたらしているんじゃないかと、私は心配しているんです。

現場では年に1〜2回しかやっていない、なんて話も聞きます。

行政担当者さんとの対話の中で、最も印象に残った言葉があります。「プログラミングについては、ほとんどの先生が十分な理解を持っていない。例えば、年に1回か2回しか使わないような教材に、大きな予算はかけられない。」

年に1〜2回…これが今の小学校プログラミング教育の現実なのかもしれませんね。もちろん、学校や地域によっては違いがあるとは思いますが、これまで私が様々な方からお聞きしてきた話からも、そうかけ離れていないと感じています。

文部科学省が2023年に実施した「学校における教育の情報化の実態等に関する調査」でも、プログラミング教育の実施状況には学校間で大きなばらつきがあり、十分な授業時間を確保できていない学校が多数存在することが示されています。必修化はされたものの、実質的には形骸化している、というのが正確な表現ではないでしょうかね。

先生たちも、きっと大変な思いをされているんじゃないでしょうか。

誤解していただきたくないのですが、これは先生方のせいでは決してありません。

そもそも、今現役で教鞭をとられている先生方の多くは、プログラミングを学んだ経験がない世代です。自分が学んでいないものを教える難しさ、私自身もエンジニアとして新人に教える立場で、その大変さはよく分かります。研修の機会も限られており、授業準備にかけられる時間も慢性的に不足しているのが現状でしょう。

OECDの調査(TALIS 2018)では、日本の教員の週あたり勤務時間は参加国中で最長水準であることが示されています。余裕のない現場に、新しい教科への対応を求め続けることには、構造的な無理があるんじゃないかと感じてしまいます。

プログラミング教育の予算と体制、一体何が起きているんでしょうね?

今回、私は生徒50名が1年間使える学習パッケージを、10万円を下回る価格で提案させていただきました。企業としては、正直、採算を度外視したような、かなり頑張った価格設定だったんです。

しかし、担当者さんの答えはこうでした。「年に1〜2回しか使わないものに10万円の予算は通らない。それならば、1〜2万円の謝礼で外部講師を呼ぶ出前授業の方が現実的だ。」

この言葉、決して批判ではなく、現場の正直な現実なんだと、私は受け止めました。担当者さん自身、とても悔しそうな表情でそう話してくださったんです。「本当はもっとやりたい」という気持ちが、ひしひしと伝わってくる対話でした。

地方行政は「現場の最前線」にいる、という視点。

ここで私たちが理解しておく必要があるのが、地方行政の立場です。

地方行政は、国の方針を受けて各学校を支える機関です。子どもたちに最も近い行政組織として、現場の声を誰よりもよく知っています。しかし、予算の大枠は国・都道府県が決める仕組みであり、自治体の地方行政本部が独自に動ける範囲には限界があるのも事実です。

現場をよく知っているからこそ、もどかしさも大きい。今回お話しした担当者の方が悔しそうな表情を見せていたのは、まさにそこだと感じました。問題の所在は、現場の皆さんではなく、国の施策設計と予算配分の仕組みにあるんじゃないか、というのが私の見立てです。

GIGAスクール構想の『その後』を、ちょっと考えてみませんか。

2019年に打ち出されたGIGAスクール構想では、1人1台の端末整備と高速ネットワーク環境の構築が進められました。ハードウェアへの投資は確かに進んだことでしょう。

しかし、端末を使って「何をどう教えるか」というソフト面・人材面への投資は、大きく立ち遅れているのが現状ではないでしょうか。文部科学省の調査でも、ICT活用の研修機会の不足や、教員のスキルにばらつきがある実態が報告されています。まるで、立派な箱だけ用意して、中身が十分に追いついていない。そんな状況に見えてしまうのは、私だけでしょうか。

年に1〜2回の授業で、プログラミング的思考は育つんでしょうか?

正直なところ、なかなか難しいんじゃないか、というのが私の実感です。

プログラミング的思考とは、問題を分解し、順序立てて考え、試行錯誤しながら解決策を見つける力のことです。これはスポーツや楽器と同じで、繰り返しの実践によって初めて身につくものだと思います。

年に1〜2回の体験で身につくものではない。この点については、教育研究の分野でも、多くの方が同じ見解ではないでしょうかね。

「体験した」と「身についた」は別物だと、私は思うんです。

お子さんがScratchを1回触ったことがあるとします。それは確かに「体験」です。でも、自分でゲームを設計して、バグを発見して、修正して、完成させる。そのプロセスを経て初めて「思考力」が育っていくのではないでしょうか。

現状の年1〜2回という頻度では、「体験したことがある」という事実は生まれても、思考の型が育つところまではなかなか至らない。必修化の目的として掲げられた「プログラミング的思考の育成」が、実質的に達成されていないのが現実ではないかと、私は少し心配しています。

出前授業モデルの限界と、構造的な問題について。

「年2万円の出前授業で済ませたい」という現場の声は、コスト面では理解できます。しかし、このモデルには本質的な限界があるように思えてならないんです。

出前授業は、外部講師が単発で教えに来るモデルです。講師が帰った後、子どもたちが自分で続けられる環境は残りません。先生が次の授業を組み立てる土台にもなりにくいでしょう。

つまり、「やった」という記録は残っても、「学びが積み重なる」という教育本来の目的は達成されにくい構造になっているのではないでしょうかね。

継続性のない学びは、本当の意味での教育とは言えないのかもしれませんね。

エンジニアとして長年現場を見てきた私には、はっきりと言えることがあります。技術は継続によってしか身につかない、ということです。たった1回の講座で劇的に変わる人間は、ほとんどいません。変わるのは、繰り返しの中で「自分でできた」という経験を積み重ねた子どもたちだけなんですね。

出前授業そのものを否定したいわけではありません。きっかけとしては大いに意味があると思います。ただ、それだけで「プログラミング教育を実施した」とカウントされてしまう現在の仕組みには、根本的な見直しが必要だと、私は感じています。

AI時代に広がる教育格差|このままだと、何が起きるでしょう?

ここで少し立ち止まって、皆さんと一緒に考えてほしいことがあります。

今、民間の習い事では、プログラミングスクールやAI活用教育が急速に広がっています。経済的に余裕のあるご家庭のお子さんは、放課後に週1〜2回、継続的にプログラミングやAIを学んでいます。

一方、学校教育に頼るしかない子どもたちは、年1〜2回の体験授業のみ。

この差は、今はまだ小さく見えるかもしれません。でも、5年後・10年後に社会に出たとき、「AIを使いこなせる人材」と「使われる側の人材」の差として、静かに、しかし確実に広がっていくのではないか、と私は心配しています。

「気づかないうちに差がついていた」、それが一番心配なんです。

経済産業省の試算では、2030年までに日本のIT人材は最大約79万人不足するとされています(2019年)。この不足を補う世代が、まさに今の小学生たちなのです。

にもかかわらず、その小学生たちへの教育投資が「年1〜2回の体験授業」にとどまっているとすれば、国家レベルの人材育成戦略として、少し整合性が取れていないように感じてしまうのですが、いかがでしょうかね。

現場の担当者さんも、本当に悔しそうにそうおっしゃっていました。私も同じ気持ちです。誰かを責めても何も変わらない。ただ、この構造を多くの人が知ること、そして声を上げることが、変化の第一歩になるのではないか、と私は信じています。

エンジニア・経営者として、行政の方との対話で感じたこと。

今回、私は教育行政の担当者さんに直接お会いしに行きました。決して、何かを売り込みに行ったわけではありません。同じ地域に住む一人の大人として、子どもたちの教育に少しでも貢献できないか、という純粋な思いからでした。

担当者の方は、本当に誠実な方でした。現状の課題を包み隠さず、丁寧に話してくれました。「本当はもっとやりたい。でも予算も、先生の時間も、仕組みも追いついていない。」そういう、切実な思いが言葉の端々に感じられました。

私は今日のお話から、これは地方行政の方々の問題でも、学校の先生方の問題でもない。もっと大きな、国の施策設計と予算配分という構造的な問題ではないか、と私は感じています。

現場の人たちは、与えられた条件の中で精一杯やっています。その条件そのものを変えていく議論が、今の日本の教育には必要だと、私は強く訴えたいんです。

よくある質問(FAQ)

Q. 小学校のプログラミング教育は、具体的に何を学ぶのですか?

A. 特定の言語を覚えるのではなく、「プログラミング的思考」を育てることが目的です。ScratchなどのビジュアルプログラミングツールやIchigoJamなどを使い、算数・理科・図工などの既存教科の中で実施されます。独立した教科ではありません。

Q. 小学校のプログラミング授業は週何回ありますか?

A. 学校によって大きく異なりますが、年間を通じて1〜数回という学校が多いのが現状です。毎週実施している学校は全国的にも少数です。必修化はされていますが、実施頻度の基準は定められていません。

Q. GIGAスクール構想でタブレットが配られたのに、なぜプログラミング教育が進まないのですか?

A. ハードウェアの整備と、教育の質は別問題です。端末があっても、使い方を教えられる先生の育成や、授業に組み込むための時間・予算が確保されていないため、活用が進んでいない学校が多い状況です。

Q. 民間のプログラミングスクールと学校教育の違いは何ですか?

A. 最大の違いは「継続性」です。民間スクールは週1〜2回の継続学習で思考力を積み上げます。学校教育は現状、年1〜2回の体験にとどまるケースが多く、学習の積み重ねが起きにくい構造です。

Q. 保護者として、今できることはありますか?

A. まず現状を知ることが第一歩です。その上で、民間の学習機会を補完的に活用すること、学校・PTAを通じて授業充実を求める声を上げることが現実的なアクションです。国の施策に任せるだけでなく、家庭・地域・企業が連携して動くことが重要な時代になっています。

Q. 日本のプログラミング教育は、海外と比べて遅れているのですか?

A. 分野によってはそう言えます。OECDのデジタル教育に関する報告では、エストニアやフィンランドなど北欧・東欧諸国では小学校段階から体系的なプログラミング教育が実施されています。日本は必修化こそされましたが、実施の深度・頻度・教員育成においては、先進国の中でも課題が多い状況です。

まとめ:小学校プログラミング教育の現状と、私たちに何ができるでしょうか?

必修化から6年。小学校のプログラミング教育は、制度の上では確かに存在しています。しかし現場では、予算・人材・時間のいずれもが不足し、年に1〜2回の体験授業にとどまっているのが、残念ながら現実のようです。

これは現場の先生たちのせいでも、教育委員会のせいでもありません。国の施策として、教育の質を担保するための予算と仕組みが十分に整備されてこなかった結果ではないでしょうかね。

AI・デジタル技術が社会を大きく変えていく時代に、子どもたちが必要な力を身につけられるかどうかは、今の教育環境に直接かかっています。この問題を「学校任せ」にするには、あまりにもリスクが大きい時代になってしまった、と私は感じています。

ここまで読んで、少し焦りを感じた方もいらっしゃるかもしれませんね。それは、きっと正しい感覚だと思いますよ。ただ、難しく考えなくて大丈夫です。まずは現状を知ること、そしてお子さんに合った学びの機会を一つ探してみることから始めてみるのが、良いんじゃないでしょうか。

私たちも、自社で開発した学習ロボット「クムクム」などを通して、子どもたちのAI・プログラミング教育を支援し、学校教育だけでは補いきれない部分を、少しでもお手伝いできればと願っています。ご興味のある方は、どうぞお気軽にお声がけくださいね。

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