試作段階の時のクムクムはこんな色をしていました。
NCの削り出し加工です。

プラスチック成形品は、同じ形を量産するために金型を作り機械でプラスチックの溶けた状態のものを流し込むのですが、金型はかなり高価で製造にも時間がかかるため、試作ではこのようにNCという機械でプラスチックを削ってテストをします。

通常日本で金型を作る場合は、安いものでも150万円、精度のいいものでは数百万円という価格です。しかもたった一つの金型でこれだけかかります。

クムクムの場合は全部で5つの金型を使うので、1型150万円と見積って、全部で450万円が必要です。しかも日本で金型を作る場合、場所によっては金型設計費というのも必要だったりして、簡単にホイホイ作れるものではありません。

なのでプラスチック品を作る場合はとても慎重に進める必要があり、事前に何度も何度もこういった試作品を設計して作ります。

最近では3Dプリンタで印刷しますが、3Dは細かいところが正確に作れないことが多いのと、出来上がりがあまり綺麗ではないので、やはり、NCには勝てません。

こういったプラスチックなどメカ周りを設計する技術屋さんを、メカ屋さんまたは機構設計屋さんと言いますが、金型や量産品に慣れた方と慣れていない方では雲泥の差がでます。

慣れた方に依頼すると、金型を使って成形品を取り出す方向や方法などをしっかり考慮して設計を行うため、無理や無駄がなくなります。また、プラスチックの素材などを考慮して、一つの型に効率よく収まる様に部品構成の最適化をしながら設計をしてくれます。

逆に慣れていない方だと、部品部品はよくできていても、結局金型で抜けきれなかったり、小さな部品なのに一緒の型に入れられなかったりし、とんでもない結果を産むどころか、まともなプラスチック製品ができなかったりもします。

また、機構設計屋さんからもらった図面から金型設計をする場合、使用するプラスチックの種類によって冷えていく時のプラスチックの収縮率が異なったりするため、それらを考慮した設計もほどこされます。

金型が完成して、まずは第一回目のテスト打ち出しをT1と呼び、だいたい30日ほどかかります。T1はおおよそ予定通りできたか?どこかに問題点はないか?まずは一回めの打ち出しです。その後T2、TENDと進み最終量産に進んでいきます。

これらの流れのためにも、まずはこのNCにおける削り出しの際にも、出来るだけ量産を考慮した設計で部品を作り組み上げる事をかんがえます。