クムクムロボット教材が狙うプログラミング教育とは

世の中に沢山のプログラミング教材がありますが、クムクムロボットが、レゴやアーテック、ロボ団やプロラボなどとどう違うの?何が特長なのですか?

初めてクムクムロボットをご紹介する方によく聞かれる質問です。

クムクムロボットが目指す ”キッカケ”

プログラミング教材ではない!ということ

実は、クムクムロボットはプログラミング教材として開発されたものではありません

電子工作・エンジニアリングを本格的に楽しめるように、子供・初心者から大人・ベテランまで対応できるように設計開発されたエンジニアリング志向ロボットです。

『ロボットとスクラッチを使ったプログラミングを子供に教える教材』という面ももつため、レゴやアーテックやロボ団やプロラボといった他社のプログラミング教材とも比較されますが、しかし、クムクムロボットが本当に狙っているところは、本格的な電子工作やそれに付随するプログラミングという総合的なエンジニアリングのマスターです。

ロボットがキッカケであること

わかりやすいところでいうと、最近販売されている、ArduinoRaspberryPi や マイクロビットM5スタック がクムクムロボットの狙いに近いものです。

これらのArduinoRaspberryPiマイクロビットM5スタック は、ボードや装置としての電子工作素材の一つとして用意されていて、エンジニアリング素材としては楽しみは無限大なのですが、何を作るかはユーザ任せになっています。

エンジニアリング志向の高いユーザーであれば、これらを購入してきてネットや書籍を見ながら自分でどんどん色々な技術を学習や研究をすすめることはできますが、私たちプロとしてのエンジニアでも習得にはそれなりに時間がかかるこれらは、見た目も含めて超えなくてはいけないハードルがたくさんあり、一般の人たちにはとっつきにくいものです。

2020年からはプログラミングが小学校にも必修化となったり、IT・テクノロジーの身近な進化において多くの方が興味を持ちブームにもなってきています。今後の世の中を見ても、まだまだテクノロジーは発展し、それを理解し使いこなすことも必須となります。また、エンジニア不足もどんどん進み、今のうちに多くの中から可能性を見つけることも必要となってきました。

そのためにも、まずは誰でもが興味をもつキッカケが大切です。

クムクムは、決してプログラミング教えるだけの教材ではなく、今後必要なテクノロジーを皆さんが楽しく身に着け、その中からさらに深く興味をもつ人を探し出すため道具になりたいと思っています。

クムクムロボットで、プログラミングだけではなく電子工作もいっぱい楽しんでください。たくさんのテクノロジーを知ってください!

まずは子供も大人も、男子も女子も、みなさんが可愛いロボットを、どんどん動かして壊して改造変身させてください。

そして、その中のだれかが、世界をひっぱる凄いエンジニアになってくれれば!

そんな キッカケ に クムクムはなりたいのです

クムクムロボットで学べる事

クムクムロボットでは、プログラミングのマスターとして初心者からベテランまで楽しめるように、スクラッチ・Python・C言語での学習ができる準備もしています。

まなびの広場にはたくさんの技術が勉強できるコンテンツを用意しています。

子どもたちには、まずは手っ取り早くプログラミングで歩かせたり喋らせたりすることで、電気部品の構造やロボット・プログラミング・技術の基本を楽しく理解できるように、学校・塾で学べるカリキュラム・テキストを用意したパッケージも用意しています。

クムクムロボットでまずはいっぱい楽しんでください。

学びを徹底的にサポートするオープンソース

クムクムロボットが参考とする ArduinoRaspberryPiマイクロビットM5スタックマイクロビットも、全てオープンソースです。ハードもソフトも、技術的な部分は全て惜しみなく公開されています。

最近では、CC クリエイティブコモンズ と言う様ですが、このクムクムロボットもこの精神に出来るだけ沿うようにしています。

そのため、クムクムロボットはボディーも足もできるだけスケルトンにしてロボットの中や電子基板などの技術をしっかり見てもらえるようにしました。しっかり目で見ることでテクノロジーの世界に興味を持ってもらいたいと思っています。

回路技術もソフト技術もできるだけ公開することで、一人でも多くのエンジニアがこのクムクムロボットを利用することで育ってほしいと願って徹底的に技術サポートをします。

クムクムロボットが提供する技術の基本コンセプト

クムクムは、ロボットを使ってこれから主流となるIoT技術やロボット・AI技術の基本から応用を電子工作を楽しみながらマスターできるを段階を踏んでマスターできることを目指しています。

しかし、どの段階でも技術的なコンセプトは同じで、ロボットや制御・コンピュータテクノロジーに最低限必要な入出力(センサーなどからの入力やモータ回転などの出力)・通信(BluetoothやWi-Fi)など必要な技術機能を一通り用意しています。



この技術を、現在販売中の機種【QX-001R3J(8ビット入門技術)】と、まもなく発売予定の【QX-001R321J(32ビット応用技術)】で学べるように用意いたしました。
2つのモデルは、全く同じプラスチックボディーにねじ4本でを差し替えることができます。
メインボードを差し替えるだけで、それぞれのもつ技術をマスターすることができます。

1.小型・基本技術エントリーモデル 【QX-001R3J】

現在販売中のモデルです。

Arduino Leonardo に使用されている8ビット小型CPU(Atmega32U4)を使用し、メインボードの電子回路はこの Arduino Leonardo に完全に準拠して設計しています。
出荷時には Arduino Leonardo のブートローダーを標準で搭載しており、様々な言語(スクラッチ、Python、C)を学習するためのソフトウェアも無料で用意しています。

狙う技術マスター

本モデルで狙う技術マスターは、比較的小さな機器に利用されている技術です。
例えば、エアコンや洗濯機などで、比較的単機能で単純な装置のマイコン制御システム技術などのマスターに向きます。(もう少し大きな、AIなどについては上位バージョンQX-001R321J

これから必要な技術の一つ ”IoTデバイス系エンジニア” を目指す方に最適なモデルです。

QX-001R3Jで用意している基本技術

No 機能 内容
1 LED(光) 3色のLEDのON/OFFを制御できます
2 BEEP(音) 指定した周波数の単音を自由に制御できます
3 SPEACH(発話) ローマ字で指定した自由な日本語をしゃべります
4 MOTOR(動き) 7つのモータを制御し歩いたりいろいろなモーションができます
5 MIC(検知) 外部の音の大きさを検知することができます
6 SENSOR(計測) 目前の物体までの距離を計測します
7 Bluetooth(通信) 外部機器と無線で通信をします
8 USB(通信) 外部機器と有線で通信をします
9 その他 I2Cバスで拡張ができます

拡張で応用技術も可能です

また、このモデル【QX-001R3J】は、ボード上に電子工作への拡張機能として「拡張I2Cバス」を用意しています。この機能を使うことで、下記の図のように新しい機能をどんどん付け加えることもできます。




また、ポート情報もすべて公開していますので、例えば、RGB-LEDをとりはずしてIrDA の受光素子を取り付けたりすることで、テレビのリモコンで動きだすロボットを作り出すという応用技術への発展も可能です。

慣れてくれば、ロボットのボディからボードだけを完全に取り外して新しいロボットや装置を作り出す事も考えられます。

完全プロ志向にも対応

本格的プロ志向としては、ボードの裏にICPのパターンを使い、CPUを直接コントロールするプログラムを書き込めむこともできます。(専用の装置ATMELライター などが必要)

CPUを直接コントロールするネイティブコードのプログラムを書き込むことで、Arduino Leonardoを超えた本格的な組み込み技術の世界へ突入することもできます。

プログラミング技術のレベルアップを狙えます

LEVEL1:スクラッチでまずはキッカケを作ろう
まずはMITが開発をしたスクラッチを使い、プログラミングやロボットの基礎を学びましょう!
ブロックを重ねて動かすスクラッチは、面倒なコードを書かずにマウス一つでプログラムが作れます。
ワイヤレスでロボットをコントロールし、作ったプログラムは瞬時に動作しますからトライ&エラーが簡単に実現できます。
初心者・子供達には最適な学習ができます。
LEVEL2:Pythonでコードプログラミングに慣れよう!
少しエンジニアらしくコードを書いてロボットを動かしてみましょう!
スクラッチのときと同じように、作ったプログラムはパソコンからすぐにワイヤレスで送り出されます。
スクラッチに少し飽きてきた人にはPythonも待っています。
LEVEL3:Arduinoでいよいよ本格的に
Arduinoは無料で使用できる本格的なプログラミングツールです。
ロボットとパソコンをUSBケーブルでつないでC言語で本格的なプログラムを書いてロボットのCPUに直接埋め込んでしまいます。
スクラッチやPythonより何百倍も速くてすごい動きをするロボットが作れます。
CPUに埋め込まれたプログラムは、ロボットのスイッチONですぐに動き始めます。
もっとすごいエンジニアを目指せます。
LEVEL4:完全プロ志向
Arduinoで物足りなくなったら、CPUを根こそぎなめつくしてしまいましょう!
本当はこんなに難しくすごい動きができるロボットなんです!クムクムは….
ここまでくればプロエンジニアです。

AIなど上位技術モデル 【QX-001R321J】

まもなく発売予定の2つ目のモデル【QX-001R321J】は、CPUに32bitのESP32を搭載し、下位の【QX-001R3J】8ビットモデルの16,777,215倍の能力を持ちます。

ただし、下位といっても狙う技術が全く異なるため、上位・下位はあくまで処理能力の数字だけで、技術の上位・下位を指し示すものではありません。

ビット数 一度に処理できる最大数
8ビット 256通り
32ビット 4,294,967,295通り

狙う技術マスター

本モデルで狙う技術マスターは、比較的中型機器に利用されている技術です。
例えば、小さなカーナビやAIスピーカなどで、機能は単純だが制御する内容は家電製品でも中級か上位クラスの技術マスターに向きます。

これから必要な技術の一つ ”IoT+AIデバイス系エンジニア” を目指す方に最適なモデルです。

QX-001R321Jで用意している基本技術とグレードアップ

基本機能はQX-001R3Jと同じですが、下記のように(赤文字)は機能がグレードアップしています。

No 機能 内容
1 LED(光) 3色のLEDのON/OFFや輝度を制御できます
2 BEEP(音) 指定した周波数の単音を自由に制御できます
3 SPEACH(発話) ソフトでローマ字で指定した自由な日本語をしゃべります
※QX-001R3は別LSIで行っていましたが本モデルはCPU内部にソフトとして搭載しています。
4 MOTOR(動き) 最大18個のモータを制御し歩いたりいろいろなモーションができます
※QX-001R3はすべて1つのCPUで処理をしていましたがQX-001R321Jはモータ専用のLSIを搭載しメインCPU(ESP32)Pの負担なく18個のモータを制御できます。
5 MIC(検知) 外部の音のデータを取得することができます
※QX-001R3は音のレベル検知でしたがQX-001R321Jはデジタルマイクの技術により音をデータとして取得することができます。
6 SENSOR(計測) 目前の物体までの距離を計測します
7 Bluetooth(通信) 外部機器と無線で通信をします
8 Wi-Fi(通信) 1.外部機器と無線で通信をします
2.インターネットに直接接続します
9 USB(通信) 外部機器と有線で通信をします
10 その他 1.I2Cバスで拡張ができます
2.SPIバスで拡張ができます
3.ESP32のすべてのポートを使用できます
4.FMシンセサイザーボード(開発中)をビルトインできます

グレードアップで新しい技術習得を目指せます

1.デジタルマイクとWIFI機能

ESP32のデジタルオーディオ機能を使いデジタルマイクI2Sマイク から音声を取得することができるように設計しました。(QX-001R3Jでは音のレベルのみの取得です)
この機能とWiFiをうまく組みあわせ、アレクサ や OK GOOGLE も開発できてしまうかもしれません。

2.18Chサーボコントロール

QX-001R321Jでは、サーボモータを独立した専用LSIでなんと18chコントロールできますので、多関節ロボットも作れす。

3.自由度が上がったソフトウエアースピーチ機能

QX-001R3Jでは、発話に外付けLSI AquesTalk pico LSI を使用していましたが、QX-001R321JではソフトウェアとしてESP内に搭載していますのでソフトでのコントロールの自由度もアップしました。

4.拡張・改造用の拡張ポート

ボード左端のラウンドパターンでは、3.3V/5V両用での「拡張I2Cバス」その上部には「SPIバス」を用意しました。多くの機能追加が可能です・

5.ESP32のフル活用

メインCPU(ESP32)のすべてのポートが使えるように基板の背面には半田付けができるパターンを用意しました。

高度なプログラミングを学習したい方は、このパターンを利用しJTAGなどを接続してネイティブコードでのプログラミングに挑戦も可能です。

リアルタイムOS技術への挑戦も可能です。



6.ビルトインできるシンセサイザーボード

基板の真ん中あたりの空き地には、YAMAHAのFM音源シンセサイザー(現在開発中のかつて全世界的に一斉風靡したサウンドブラスター)と同一LSI(OPL3)を使った拡張ボード(現在開発中)をビルトインできる構成にしています。
このボードをここにはんだ付けするだけでクムクムロボットのお腹のスピーカからシンセサイザーの音を鳴らすことも可能になります。

7.新しいボードへのヘビーな改造

背面のICPパターンは、モータコントローラーLSI(Arduino uno のCPU ATMEGA328P)の書き込みポートと直結しています。電子工作をさらに楽しみたい方は、このLSIを外し新品のATMEGA328Pをはんだ付けし、さらにArduinoなどによるプログラムを搭載させることもできます。

ATMEGA328PはESP32とは「I2Cバス」で内部接続していますから、メインCPUであるESP32とは通信制御も可能で相当ヘビーな楽しみ方ができます。

8.Arduinoで簡単プログラミングもサポート

メインCPUであるESP32にはArduinoブートローダーを標準搭載しています。
ロボット背面のUSBポートからArduinoIDEを使い簡単にプログラムを焼き込む事もできます。

3J&321Jで技術の一気通貫

この様に、クムクムロボットはQX-001R3J/QX-001R321Jの2機種を使って目的に合わせた本格的なエンジニアマスターを目指す事ができます。

8ビット組み込みから32ビットAIまでクムクムロボットひとつでこれから必要なエンジニアリング知識を一気通貫でマスターすることができるのがクムクムロボットの狙いです。

子供から大人まで、初級から上位までクムクムロボット一つでOKです。

クムクムロボットですごいエンジニアを育てたい

面白い動画がありました

鉄琴をソレノイドでたたいて演奏をするロボットです。

クムクムロボットで色々学ぶ事で、こんなロボットを考えて作れる人たちや子供たちを育てたいと私たちは思います。

Arduinoファンにはかかせない、とても夢のあるサイト Adafruit をご存じでしょうか?
こんなサイトをクムクムロボットも作っていき、こんな電子工作を楽しみに思える子供達が一人でも増えてくれれば本望です。

かつて、日本が世界を握っていた技術大国であった時の様に、もう一度この小さな島国から世界を震撼させる様な技術者が出てくれることを私たちは夢見ています。

難しい理論や研究や理屈は、後からでOKです。
まずは興味と夢と目標を持って、楽しくワクワクするエンジニアの登竜門をクムクムロボットでくぐっていただきたい!そんな場を提供したいと考えています。

クムクムロボットはプログラミングを学ぶだけの教材ではありません!

….次回は、「クムクムロボットで用意されているソフトウェアやカリキュラム・教材が狙う世界」についてご紹介したいと思います。

タイトルとURLをコピーしました