プログラミングは教えて欲しくない!

「未来の学びコンソーシアム 小学校プログラミング教育必修化に向けて」パンフレットには下記のように記されています。

プログラミング教育が必修化された背景

我が国の競争力を左右するものは何か。それは「 IT 力」です。ヨーロッパでは「IT力」が若者が労働市場に入るために必要不可欠な要素であると認識されています。現に、90%の職業が、少なくとも基礎的な IT スキルを必要としていると言われており、多くの国や地域が学校教育のカリキュラムの一環としてプログラミングを導入しています。
一方で日本では、2020年までに37万人もの IT 人材が不足すると言われています。今後国際社会において「IT力」をめぐる競争が激化することが予測され、子供の頃から 「IT力」を育成して裾野を広げておかなければ勝ち抜くことはできません。そのような思いから、小学校におけるプログラミング教育の必修化は実現されたのです。

この文書はIT業界に身を置く私達にとってなんだか少し恐怖にすら感じてしまいます。「IT力」の競争・・・なんですね。

現場は、なかなか進んでいないようです

上記のような背景に基づき、政府はIT構想を実現するために旗は降ってはいるものの、どうも明確なガイドラインは示されていないようです。
具体的には、各地方の動きに委ねる という方針のようで、各地方ともそれぞれのプロジェクトが組まれ、地方によっても意識が異なり進行状況も異なるようです。

不安が膨らむばかりです。

まず大体、プログラミングは自分の力で解いていくからこそ力になり、継続し集中するからこそ蓄積されるものであって、国語・算数・理科・社会のように、先生の習ってマスターするものではないものだとは思います。

そもそも本質が違うものですから、そんなものをどう学校教育に取り入れられるのかがとても不安です。そして、文部科学省のパンフレットを見れば見るほど、もしこんなふうにプログラミングが授業の中に取り入れられたら、5教科の次に嫌いな科目としてのプログラミングが6教科に入ってしまいそうで、不安が膨らむばかりです。

すでに算数が大嫌いになっている子にとっては、下記のような授業は地獄でしかないように思えるのは私だけでしょうか?


「未来の学びコンソーシアム 小学校プログラミング教育必修化に向けて」パンフレット 2Pより

また、プログラミングはひとつの教科としての採用ではなく、各教科の中でほんの一部このように取り入れられて教えられるもののようです。なんとなく、おまけかサンプルかのように扱われるのでしょうか?

プログラミングとは

30年以上開発の現場にいて多くのプログラミングを行ってきました。そして多くの方にプログラミングを教える機会をいただきました。
遡ること30年前、大手外語学院でのパソコンプログラミングスクールから始まり、社員教育・子供教育、本当に多くのプログラミングに関わる時間をいただきました。

その中で強く感じることは、プログラミングは習うものではなく、自らが行うものだということです。論理的思考や問題解決能力は、人からコツを教わったり、やり方をを教わって身につくものでしょうか?

自分自身が「こうしたい」「こうなりたい」「あれをつくりたい」という思いから、研究と制作の時間をかけ、その中で自分で効率よく作ったり、順序よく作ったりしていくことが論理的思考であり問題解決能力ではないでしょうか?

そして文部科学省がいう「プログラミング的思考を身につける」というのは、学校教科としてのプログラミングではなく、こうした自らの力を伸ばすというところに本来の目的があるのではないでしょうか?

お題を与えて自分で解かす!

プログラミング的思考とは、ものづくり頭であることを別のところで書きました。決してテクニックや解き方を学ぶ学習教科ではなく、自らが作り上げる頭を育成するところが必要です。

5教科に取り入れるのではなく、しっかりプログラミングというもので、作らなければ行けないお題を出して、あとは自分で作らせる。作るための道具としてプログラミングの中の命令を説明し使い方を練習する!

あとは自分でそれを試行錯誤して組み合わせ完成させる。その時間を大切にすることが大切であると思います。

本当にプログラミングが大切なら、教科の中でちょこっとだけ触るプログラミングに、教科を混ぜないで、本当にちゃんとプログラミングに向かい合わせにしてあげてほしいと思います。

IT人材は確かに不足し、少しでも小さい頃からプログラミングというものを体験させておき、きっかけを作ることは大切です。

しかし、そのきっかけが逆になって、プログラミング嫌いが増え、IT人材が逆に減り、「IT力」の競争力にもならないことだけは避けていただきたいと心から願う毎日です。

クムクムは、マイナス避けるため、プラスを増やすためのツールでいるために必要な教材であり続けます。

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