令和２年２月 文部科学省小学校プログラミング教育の手引（第三版）の6ページ目には、小学校でのプログラミングの狙いについて書かれています。上段は「求める資質や能力」、下段は「具体的にどんなことを？」身に付けるようにと考えられているのかが書かれています。
この下段について考えてみます。
「情報活用能力」に含まれる資質・能力を育成すること
(出典：小学校プログラミング教育の手引（第三版）６ページ）
[思考力、判断力、表現力等]⇒プログラミング的思考の育成
自分が意図する一連の活動を実現するために、どのような動きの組合せが必要であり、一つ一つの動きに対応した記号を、どのように組み合わせたらいいのか？記号の組合せをどのように改善していけば、より意図した活動に近づくのか、といったことを論理的に考えていく。
この中でちょっとわかりにくいと感じるところが、「活動」と「記号の組合せ」ではないかなと感じました。これはおそらくプログラミング的思考というものを、プログラミングという特定の作業から切り離し、一般的生活の中にもこの思考が大事だよ！と言いたいのではないかと読み取ってちょっと書き直してみました。
思うような活動をするためには、どんな行動をどんな順序で組み合わせ、そしてもっともっと改善していくことで、よりもっと思う活動になるのかを、順序だててしっかり組み上げられるように考えなさい。
機械やロボットやコンピュータの画面の動きで、自分が思い描く完成結果を得るために、どんな命令（記号）をどんな順序で組み合わせて作り上げるか（シーケンスとアルゴリズム）をしっかりプログラミングを使って体験し学びなさい。
つまり、完成物を作るために、必要なパーツをどんな順序でどんな風に組み合わせればいいのか？それがもっとより良い完成物になるのかを、しっかり論理だてて考えられるように訓練してほしい！
[知識及び技能]
身近な生活でコンピュータが活用されていることや問題の解決には必要な手順があることに気づく
※プログラミング教育を通じて、児童がおのずとプログラミング言語を覚えたり、プログラミングの技能を習得したりすることは考えられるが、それ自体を、狙いとはしない。
コンピュータを使ってプログラミングをすることで、児童が勝手にプログラミング言語やテクニックなどを学んでいくことは自由だけど、狙うのはそこではなく、コンピュータがどう活用されているのか？や、プログラミング的思考（順序良く完成物を作る論理的思考）の体得が目標なんだよ！
プログラミング教材として、実際にコンピュータを使う教育方法と、コンピュータを使わずに行う教育方法「アンプラグド」という方法があります。
プログラミング的思考を学ぶためには、どちらも有効な方法で、特にアンプラグドは、コンピュータや機械を使うことなく学べるので便利なのですが、冒頭の「身近な生活でコンピュータが活用されていること」を学ぶためには、アンプラグドよりは、せっかく自動一人一人に配られたGIGA端末（コンピュータ）を実際に使用したほうがより効果的ではないでしょうか？
[学びに向かう力、人間性等]
コンピュータの動きを、よりよい人生や社会づくりに生かそうとする態度。
コンピュータというものをしっかり理解して、これからの世の中がよくなるように活用していこう！と動いていこう！考えていこう！….なのでしょうか….
コンピュータはとても便利な機械ですが、使い方によっては大変危険な結果ももたらす機械にもなります。
これからどんどん発展していくAIやロボット、ドローンなどすべてコンピュータで作られていき、生活のまわりはコンピュータだらけになります。
使い方によっては薬にも毒にもなるコンピュータの動きや役割をしっかり理解して、正しく活用できるように小学校時代から学んでいってほしいものです。
特に、映画でも見られるようなロボットと人…AIが発達していけばロボットはどんどん知能をもち、ロボットが人間を超えてしまうことも考えられます。
そうなると、ロボットに支配される世の中を人間自らが作り出してしまうことにもなりかねません。
そうならないように、しっかりコンピュータを理解し、人間をヘルプする道具になるようにしっかり考えられるように小学生のころから正しく学んでほしい…と願っています。
既に危険が始まっている
2017年夏、Facebookの人工知能（AI）研究組織である「Facebook AI Research（Facebook人工知能研究所）」が行った実験では….なんと….2つのコンピュータが人間が理解できない言語で会話を始めたと….話題になりました。
実験は強制終了させた！ということですが、これをどう思われますでしょうか？
もし、これに気づかず、強制終了しなかったら….まさに映画そのものがおこってしまうのです。
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