プログラミング教育の必要性

情報技術の進展により⽇常的に使⽤する機器の⾼機能化、デジタル経済の拡⼤、第四次産業⾰命と⾔われる⽣産技術の⾰新が進んでいます。

これらの根底にはデジタル⾰命を含む新興技術があります。新興技術は世界規模で従来型の社会や産業、⽣活を⼤きく変えることが予想されています。
( Ab Rahman, Airini (2017). “Emerging Technologies with Disruptive
Effects: A Review”. PERINTIS eJournal 7 (2) 2017 )

時代の変化と技術

この時代背景に各国、地域の政府は、そこに対応すべき制度や⼈材などの多くのリソースの必要性を認識して施策を講じつつあります。新興技術は従来にない要素を含んでおり、そこには新しい技術を習得した⼈材が必要とされています。そのため、各国、地域の政府は新興技術の教育を重視し、教育制度の構築を進めている状況です。

第⼀次、⼆次、三次産業⾰命では、⽣産⼿段や交通⼿段、通信⼿段に⼤きな変⾰があったと同時に、社会や⽣活も⼤きく変遷していきました。変⾰期ではその時代に⽣きている世代と、次の時代(産業⾰命が進んだ後)に⽣きる世代と、その環境や必要とされる知識、技術が異なります。それは従来の知⾒で必ずしも解を得ないと⾔うことを意味します。そこには解答のない問題に対する問題解決能⼒がより必要とされます。

各産業⾰命の特徴

名称 時期 主な技術 特長
第⼀次産業⾰命 18~19世紀 蒸気機関の発展 農耕・地⽅社会の⼯
業化・都市化
第⼆次産業⾰命 1870~1914 電⼒、電話機、電球、蓄⾳機、内燃機関 鋼鉄、⽯油、電気などの新産業の拡⼤
第三次産業⾰命 1980~ パーソナルコンピュータ、インターネット、情報通信技術(ICT) デジタル⾰命
第四次産業⾰命 ロボット⼯学、AI、ナノテクノロジ、量⼦コンピュータ、⽣物⼯学、IoT、3D プリンタ、⾃動運転⾞ 物理、デジタル、⽣物圏の間の境界を曖昧にする技術の融合

各国や地域の政府の視点では⼈材の確保、⽣活者の視点では新時代に対応できる知識や技術、また、解答のない問題に対する問題解決能⼒が必要とされます。
これらを背景として(広範な意味での)プログラミング教育の必要性が⾼まっています。( プログラミング教育の定義 )

「プログラムは(program)」の本来の意味は、物ごとの予定、計画、⼿順を指していましたが、コンピュータに指⽰を与えるためのコード( code、系統⽴った符号や記号 )であるコンピュータ・プログラムを指しています。

プログラミング教育はその両⽅それぞれに対する教育を指している場合があります。
前者に対応する教育は、予定、計画、⼿順を論理的に作成検証するためのプログラミング的思考を習得するための教育です。後者に対応する教育はコンピュータ・プログラムを作成する能⼒を習得するための教育です。

本稿では明⽰しない場合は両⽅を含む意味として使⽤します。

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